- 〜初めに〜
- 試験に出る建築作品集テーマ別一覧
- 日本の独立住宅
- 目次
- 1.1928年 聴竹居 藤井敦ニ
- 2. 1935年 土浦亀城邸 土浦亀城
- 3. 1936年 旧日向別邸 ブルーノ・タウト
- 4. 1941年 前川國男邸 前川國男
- 5. 1941年 惜櫟荘(旧岩波別邸) 吉田五十八
- 6. 1950年 立体最小限住宅 池辺陽
- 7. 1952年 増沢洵邸 増沢洵
- 8. 1952年 斉藤助教授の家 清家清
- 9. 1952年 私の家 清家清
- 10. 1953年 コアのあるH氏の住まい 増沢洵
- 11. 1958年 スカイハウス 菊竹清訓
- 12. 1960年 正面のない家ーN 板倉建築事務所/西沢文隆
- 13. 1961年 から傘の家 篠原一男
- 14. 1962年 軽井沢の家(山荘) 吉村順三
- 15. 1966年 塔の家 東孝光
- 16. 1966年 白の家 篠原一男
- 17. 1968年 夫婦屋根の家 山下和正
- 18. 1971年 ブルーボックス 宮脇檀
- 19. 1971年 まつかわぼっくす 宮脇檀
- 20. 1966年 阿部勤邸(中心のある家)阿部勤
- 21. 1974年 原広司邸 原広司+アトリエφ建築研究所
- 22. 1976年 住吉の長屋 安藤忠雄
- 23. 1981年 小篠邸(KHギャラリー) 安藤忠雄
- 24. 1984年 シルバーハット 伊藤豊雄
- 25. 2005年 森山邸 西沢立衛
- 26. 1976年 上原通りの家 篠原一男
- 27. 1976年 代田の町屋 坂本一成
〜初めに〜
今回紹介するのが、一級建築士問題の中でも、なかなか厄介な分野の紹介です。
一級建築士試験において、建築作品というのは、すごく重要な分野となっていきます。
近年の計画の問題は、難化傾向で、特に建築作品が難しいです。
丸暗記をするのは、不可能なので、しっかりと建築物の特徴とイメージを
リンクさせて、一つ一つ覚えていきましょう。
試験に出る建築作品集テーマ別一覧
- 日本古代〜近世の建築物
- 日本の独立住宅
- 日本の集合住宅
- 日本の教育施設・図書館
- 日本の美術館・芸能
- 日本の医療施設・集会場・市役所
- 日本の保存・改修
- 西洋古代〜近世の建築物
- 西洋の独立住宅
- 西洋の集合住宅
- 西洋の教育施設・図書館
- 西洋の美術館・芸能
- 西洋の医療施設・集会場・市役所
- 西洋の保存・改修
日本の独立住宅
今回は、日本の独立住宅について紹介していきます。
キーワードとポイントを絞って、かつ実際の試験問題も載せて、紹介していきます。
目次
- 1928年 聴竹居 藤井敦ニ
- 1935年 土浦亀城邸 土浦亀城
- 1936年 旧日向別邸 ブルーノ・タウト
- 1941年 前川國男邸 前川國男
- 1941年 惜櫟荘(旧岩波別邸) 吉田五十八
- 1950年 立体最小限住宅 池辺陽
- 1952年 増沢洵邸 増沢洵
- 1952年 斉藤助教授の家 清家清
- 1952年 私の家 清家清
- 1953年 コアのあるH氏の住まい 増沢洵
- 1958年 スカイハウス 菊竹清訓
- 1960年 正面のない家ーN 板倉建築事務所/西沢文隆
- 1961年 から傘の家 篠原一男
- 1962年 軽井沢の家(山荘) 吉村順三
- 1966年 塔の家 東孝光
- 1966年 白の家 篠原一男
- 1968年 夫婦屋根の家 山下和正
- 1971年 ブルーボックス 宮脇檀
- 1971年 まつかわぼっくす 宮脇檀
- 1966年 阿部勤邸(中心のある家)阿部勤
- 1974年 原広司邸 原広司+アトリエφ建築研究所
- 1976年 住吉の長屋 安藤忠雄
- 1981年 小篠邸(KHギャラリー) 安藤忠雄
- 1984年 シルバーハット 伊藤豊雄
- 2005年 森山邸 西沢立衛
- 1976年 上原通りの家 篠原一男
- 1976年 代田の町屋 坂本一成
全部で27の独立住宅物件が紹介されています。日本の独立住宅の紹介
1.1928年 聴竹居 藤井敦ニ
①環境工学者の先駆者である藤井敦ニが設計した自邸です。
②環境共生住宅の原点
③『日本の住宅』という環境工学の最初期の倫理書を書いているだけあって環境の意識が高いです。
問題1. 日本の住宅 は気候・風土と住宅の関係を、室温度・日射熱・気流等の物理量で捉えることにより、住宅設計を科学的に行う方法を提案した。
2. 1935年 土浦亀城邸 土浦亀城
①木造乾式を採用。外壁は、石膏スレートに白い防水セメントで仕上げ。
②箱上の外観。
③4つのスキップフロアが連続でつながり、居間を中心とした立体的なワンルームのような構成。
④バウハウス的なモダニズムの住宅。
問題2. 土浦亀城邸(1935年)は、白い箱型の外観を持ち、内部は居間の吹き抜けを中心とした複数の床レベルによって構成されたモダニズムの木造住宅できる。
3. 1936年 旧日向別邸 ブルーノ・タウト
①急勾配の斜面に設けられた主家の庭の地下部分を改変した居住施設。
②海を見渡せるような広い開口部。
③モダンで大胆な日本調のデザイン。
問題3. ブルーノ・タウト設計の旧日向別邸(静岡県)は、急勾配の斜面に設けられた主屋の庭の地下室を、熱海が見渡せるように開口部を拡げ、モダンで大胆な日本調の空間に改築した住宅である。
4. 1941年 前川國男邸 前川國男
①30坪の面積制限で建築された前川國男の自邸。
②南面は、全面ガラス面となっており、庇や障子を通過した光が室内を満たす。
問題4. 前川自邸(前川國男)は、都市部の約20㎡の狭小な敷地に、空住間を機能別に積層し構成した住宅である。
5. 1941年 惜櫟荘(旧岩波別邸) 吉田五十八
①熱海の海沿いの崖に計画された別荘。写真は復元写真。
②全ての場所から海を眺望することができる。
③新興数寄屋、近代数寄屋として近代和風の建築の世界を大きく広げた建築。
問題5. 惜櫟荘(旧岩波別邸)は、吉田五十八の設計による近代数寄屋の別荘であり、熱海の海沿いの崖に計画され、和室と椅子式居間(洋間)と座式居間(和室)は熱海の海への眺望をもつ。
6. 1950年 立体最小限住宅 池辺陽
①合理主義的な傾向が強く、実験性の高い住宅。
②戦後復興期の小住宅。最小限でありながら、空間的な広がりを持たせ、各室が居間に面しており生活の一体感がつくられている。
問題6. 立体最小限住宅は、合理的生活主義に基づいて計画された。
問題7. 立体最小限住宅は、工業化住宅の試みとして発表された『15坪住宅』であり、吹き抜け空間を設けることで、狭小性の克服を目指した住宅である。
7. 1952年 増沢洵邸 増沢洵
①建築面積が9坪の最小限住宅の試作。
②南側に吹き抜けを設け、2階を含めてワンルーム的な空間となっている。
③南面は全面化気候部として、ガラスと障子を使用している。
問題8. 増沢洵邸は、戦後の極限最小住宅の先駆けとなった事例であり、1階の鉄筋コンクリート造のコアの上の木造部分に最小限必要な要素を納めた住宅である。
8. 1952年 斉藤助教授の家 清家清
①日本の伝統と近代技術をうまく結合することに成功しているとグロピウスが評したという小住宅
②床の間や浴室を省き、納戸や寝室、便所を小さくして、居間的な空間を広く開放的にしている。
③2畳のキャスター付きの移動畳を設けるなど舖設を状況に応じて変更することができる。
問題9. 斉藤助教授の家は、テラス、廊下、居間、食堂を連続させた開放的な空間とし、可動の家具を配置することで、空間を状況に応じて変更することができる。
9. 1952年 私の家 清家清
①日本の伝統的な家屋と近代を融合するようなさまざまな試みがおこなわれている。
②キャスター付きの2畳の移動畳の使用。
③建築に対して、広い庭との連続性を確保して、住居の広さを得る。
10. 1953年 コアのあるH氏の住まい 増沢洵
①風呂やトイレ、キッチンなどの水周りを集約したコアは中央付近の共用エリアにある。
11. 1958年 スカイハウス 菊竹清訓
①一辺が10m角の正方形平面。
②壁は、4枚の壁柱、屋根は、HPシェルによる緩い傾斜屋根で構成されいている。
③居間、食堂、寝室は、『生活装置』⇨ムーブメントともいう。
④取り替えや位置の変更可能なムーブメントはメタボリズムの根幹となる。
*メタボリズム…建築や都市は、新陳代謝を通じて成長する有機体であらねばならないという理念に基く。
問題10. スカイハウスは、メタボリズムの考え方に基づき、一辺約10mの正方形平面の生活空間とHPシェルの屋根が、4枚の壁柱で空中に支えられた住宅ある。
問題11. スカイハウスは、4枚の壁柱に支えられた均質な空間に、取り替えの可能な設備等の装置化された『ムーブメント』を取り付けた計画である。
12. 1960年 正面のない家ーN 板倉建築事務所/西沢文隆
①敷地全体を建築化したコートハウス。
②4つの中庭が市松模様に配置さており、採光や通風、プライバシー、広がり感等を確保して良好な環境を作り出す。
問題12. 正面のない家は、敷地全体を壁によって囲い込み、四つに分かれた庭が各室に最高と広がりを与えているコートハウスである。
13. 1961年 から傘の家 篠原一男
①正方形の平面、宝形の屋根を持つ住宅。
②垂木が屋根の頂点から傘のように放射状に広がっている。
③南側を広間、北側を水回りと畳の部屋の二つに分けて全体として3つの空間を持つ。
問題13. 傘の家は、正方形の単一空間を住機能別に三分割した平面構成をもつ。
問題14. 傘の家は、方形屋根で覆った正方形の単一空間を用途によって分割した、造形性の高い全体構成を持つ。
答え 問題4.問題8は×。それ以外は○
前半戦終了です!!後半戦も頑張っていきましょう!!
14. 1962年 軽井沢の家(山荘) 吉村順三
①一階は、RC造で、その上に張り出した片流れの屋根を持つ木造。2階部分が、肩持ちスラブに乗っている。
②2階がメインの生活をする部屋で、自然と親密な関係になるような場所となっている。
問題15. 軽井沢の家は、片流れの屋根と2階の居間を中心とした平面計画を持つ。
15. 1966年 塔の家 東孝光
①都心の狭小の不整形な敷地に建つ小住宅。
②建築全体が鉛直のワンルーム空間として構成されている。縦方向に吹き抜けがあり、垂直的な広がりを出している。
③狭小の都市住宅の代表例。
問題16. 塔の家は、小面積で不整形な敷地条件に対して、住空間を機能別に積層して、構成した都市住宅である。
16. 1966年 白の家 篠原一男
①平面の中心にある丸太柱が方形の瓦屋根を支持されている。
17. 1968年 夫婦屋根の家 山下和正
①1階は、居間、台所、寝室といった生活空間。
②2階は、アトリエとピアノ室といった仕事空間。
問題17. 夫婦屋根の家は、1階を生活部分、2階を仕事場に分けた明快な平面構成を持つ。
18. 1971年 ブルーボックス 宮脇檀
①崖のような斜面の途中に四角いボックスが突き刺さっているように見える。
19. 1971年 まつかわぼっくす 宮脇檀
①都心の住宅地に建つ住宅。
②居間が中庭と一体化して使えるように、できるだけ床レベルを下げて計画されている。
20. 1966年 阿部勤邸(中心のある家)阿部勤
①3.6m角の正方形の平面の周囲をさらに、7.8mの壁で囲む平面を持つ。
②1、2階ともRC造の壁で囲まれた居間や寝室であり、その周囲に台所や食堂、テラスなどで取り囲む構成になっている。
21. 1974年 原広司邸 原広司+アトリエφ建築研究所
①斜面の地形を利用して、玄関から一番奥の部屋そして、外部のバルコニーまで中央の階段、廊下がつづいている。
②中央上部からトップライトから自然光が降り注ぎ、小さな居室群が中央の廊下、階段の両側に配置されている。
③構成は、住居の中に都市を埋蔵する。
問題18. 原広司邸は、玄関からバルコニーまで降りてゆく廊下の両側に居室を配置し、トップライトから自然光を取り入れ、住居の中に『都市を埋蔵する』構成を意図した住宅と言われている。
問題19. 原自邸は、玄関から吹き抜けを通過して、バルコニーまで降りてゆく廊下の両側に居室を配置し、トップライトから自然光を取り入れた住宅である。
22. 1976年 住吉の長屋 安藤忠雄
①細長い奥行きを3分割した中央に中庭が設けられている。
②室内外は、コンクリート仕上げ。
23. 1981年 小篠邸(KHギャラリー) 安藤忠雄
①住宅を増改築したギャラリー
②半分埋められたように配置された打ちっぱなしコンクリートの箱状の2棟と、円弧状の平面で構成されている。
③細長いトップライト、中庭に面したスリットの開口部などが、光と影を表現している。
24. 1984年 シルバーハット 伊藤豊雄
①銀色に輝く小屋の意味を持つ。
②可動のテントに覆われた半屋外のコートや居室部分を鉄骨のヴォールト屋根で覆っている。
問題20. シルバーハットは鉄筋コンクリートの柱の上に鉄骨フレームの屋根をかけ、コートの上部に吊られた開閉可能なテントにより通風や日照を調整することで、コートを半屋外の居間空間として利用することができる。
25. 2005年 森山邸 西沢立衛
①オーナーの住宅と賃貸もできる住宅が、さまざまな大きさの白い箱状の住棟として、敷地の中に立並んだ居住施設。
②住棟群は、明るく開放的に、庭や街路と緩やかに連続している。
26. 1976年 上原通りの家 篠原一男
①都市部の密集した住宅地に建つ写真家のスタジオ兼住宅。
②上部に飛び出したヴォールトに丸窓が二つ設けられている。
27. 1976年 代田の町屋 坂本一成
①町屋形式の住宅⇨中庭を中心として、各部屋は配置されている。
②一階の駐車場は、半屋外空間となって、視線は、外室(中庭)主室へと連続している。
③隣地に向けては、閉鎖的に作成。
問題は全部○です。
お疲れ様です!!繰り返し見て覚えよう!!
コメント